学校帰り。 外は氷点下だと言うのにその子はコートのボタンを閉めなくても平気だと言った。 寒くないよ。わたし、雪の子だからね。 それはもちろん冗談で、そう言うとみんな笑った。 次の日。 その子は行方不明になってしまった。 必死の捜索も空しく終わり、その子が見つかることはなかった。 やがて春になって雪が溶けたら、彼女はどこかから出てくるのだろうか。 (おわり) 2006/1/23